Camp Outdoor Life

キャンプの「食」を格上げした調理器具とテーブル【初心者が揃えた5アイテム】

初キャンプの焚き火飯が楽しすぎた。ソーセージ、鍋焼きうどん、餅、マシュマロ。何を焼いても外で食べるだけで美味い。焚き火を囲んで食べるご飯には、かなわないものがある。

でも翌朝、目が覚めてこう思った。コーヒー飲みたい。けど焚き火を一から起こすのか?

12月の朝、テントから出てすぐの冷たい空気。ホットコーヒーがあったら完璧なのに、薪を割って火を起こしてお湯を沸かして……それは「朝のコーヒー」じゃなくて「朝の修行」だ。

この「朝コーヒー問題」が、調理器具を揃え始めたきっかけだった。

焚き火だけでは困ること

焚き火を否定したいわけじゃない。あの火を囲む時間は、キャンプでしか味わえない。

でも2回目のキャンプに向けて計画を立てていると、焚き火だけでは不便な場面がいくつか浮かんできた。

  • 朝、サッとお湯を沸かしたいとき
  • 火加減を細かく調整したいとき
  • 焚き火の準備をしている間に、先にスープだけ温めたいとき

焚き火は雰囲気と豪快さ。でも「手軽さと正確さ」が欲しい場面も確実にある。両方あれば、夜は焚き火でじっくり肉を焼きながら、横のバーナーでアヒージョをグツグツ。朝はバーナーでサッとお湯を沸かしてコーヒーを淹れる。料理の幅が一気に広がるんじゃないか。

私たちはこれを勝手に「二刀流」と呼んでいる。

SOTO レギュレーターストーブ ST-310

バーナーを探すとき、最初にぶつかったのが CB缶か OD缶か という問題だった。CB缶は家庭用カセットコンロで使うカセットボンベのこと。OD缶はアウトドア専用のガス缶で、寒さに強い代わりに値段が高い。

YouTube のキャンプ動画で「初心者はどっちがいい?」という比較動画をいくつか見た。結論はだいたい同じで、真冬の雪山キャンプでもなければ CB缶で問題ないという話だった。OD缶はアウトドアショップでしか買えないし、1缶の値段も CB缶の2〜3倍する。CB缶ならコンビニでもスーパーでも手に入る。

手軽さ優先。関東近郊の春〜秋キャンプなら CB缶で十分だろう。そう判断して SOTO のレギュレーターストーブ ST-310 を選んだ。キャンプ系の YouTube ではほぼ定番扱いで、情報が多いのも安心材料だった。

妻は「イワタニのカセットコンロでよくない? 家にあるじゃん」と言った。気持ちはわかる。でもカセットコンロは風に弱いし、何より大きい。ST-310 は畳むと手のひらサイズで荷物にならない。ここは説得した。約6千円。

使ってみて感じたのは、火力調節のありがたさ。焚き火だと「強火か、超強火か」みたいな世界だけど、バーナーなら弱火でコトコト煮込むこともできる。「火を操れる」ってこんなに快適なのかと思った。

ただ注意点もある。CB缶の上に直接乗せる構造なので、大きな鍋やフライパンを載せると不安定になりやすい。それと風が吹くと炎が流れやすい。風防を別途用意したほうがいいかもしれない。

SOTO レギュレーターストーブ ST-310

SOTO レギュレーターストーブ ST-310

Far North マルチグリドル

焚き火台でソーセージや餅を焼くのは楽しかったけど、もう少し料理の幅を広げたかった。焚き火台の網の上に直接鉄板を置けたら、肉も野菜もちゃんと焼ける。

調べてみると、マルチグリドルという選択肢があった。見た目は浅めの鉄板で、焼く・炒める・煮るがこれ1枚でできるらしい。

有名どころだと JHQ の FIRE&FLAME がキャンプ界隈では人気。ただ1万円を超える。「まだ何回キャンプに行くかわからないのに1万円は……」と妻。わかる。

Far North のマルチグリドルは5千円台。Amazon のレビューの評価も悪くなかったので、こちらにした。安いぶん、コーティングの耐久性は値段なりかもしれない。でも「まず使ってみる」が私たちの方針。

実際に使ってみると、焚き火台の上にこれを載せるだけで一気に料理の幅が広がった。サムギョプサルを焼いてレタスで巻いたり、野菜を炒めたり。焚き火の火力で豪快に焼くのが気持ちいい。浅い形状なのでテーブルの真ん中に置いて、2人で直接取り分けられるのもよかった。

焚き火台の上のマルチグリドルで肉を焼く

バーナーの上にも載せられるから、焚き火が使えないときや朝にちょっとした焼き物をしたいときにも使える。洗い物も1枚で済む。後日冷凍チャーハンや焼きそばを焼くときにも大活躍した。

マルチグリドルで焼いたサムギョプサルをレタスで巻いて

気になった点は重さ。鉄板なので当然だけど、見た目より重い。あと取っ手が短くて、熱いうちに持つのは焚き火記事で書いた耐熱グローブがないと厳しい。

Far North マルチグリドル

Far North マルチグリドル

テーブルがないと腰が死ぬ

初キャンプを思い返すと、調理はずっと地面に近いところでやっていた。焚き火台の前にしゃがんで、焼いて、食べて。楽しかったけど、足腰にくる。翌日、2人とも腰が痛かった。

「テーブルが欲しい。できればバーナーも置ける作業台が」

調べていくうちに IGTテーブル という規格を知った。IGT(Iron Grill Table)は天板がパネル式になっていて、一部を外してバーナーやグリルを埋め込めるシステム。もともとは Snow Peak が作ったもので、Snow Peak 純正で揃えると3万円以上する。

YouTube の比較動画で「互換品でも十分使える」という話を見て、LYIYI の IGTテーブルに deerest のグリルテーブル天板を組み合わせることにした。テーブルの中に ST-310 がスッポリ収まる。つまり、テーブルの一角がコンロになる。

IGTテーブルが約1万2千円、グリル天板が約4千円。合わせて1万6千円。Snow Peak 純正の半額くらいだから、初心者の入門としてはこのあたりが現実的だと思う。

妻は「折りたたみテーブルなら3千円であるけど」と言ったけど、バーナーを埋め込めるのは IGT だけ。調理スペースと食事スペースが一体化するから、狭いサイトでも無駄がない。ここは自分が押した。

ただ、組み立てに少し手間がかかる。脚の調整とか天板のはめ込みとか、折りたたみテーブルの「パッと開いて終わり」に慣れていると最初はちょっと面倒に感じるかもしれない。

LYIYI IGTテーブル

LYIYI IGTテーブル

朝コーヒー問題、解決

あの「朝の修行」問題も、バーナーとテーブルのおかげで解決した。

ステンレス製のコーヒーポットを別途購入した。直火もバーナーも OK のもので、約3千円。Amazon で「コーヒーポット キャンプ」で検索して、注ぎ口が細くてドリップしやすそうなものを選んだ。ブランドにはこだわらなかった。

IGTテーブルに埋め込んだバーナーの上にステンレス製コーヒーポット

テントから出て、IGTテーブルに埋め込んだバーナーをつけて、ポットでお湯を沸かす。2分で沸く。焚き火を一から起こす必要なし。注ぎ口が細いから、ドリッパーにゆっくりお湯を注げる。(このポットで実際にキャンプでドリップコーヒーを淹れた話は別の記事に書いた。)

妻はコーヒーよりも「立ったまま調理できること」に喜んでいた。初キャンプでは地面に座って焚き火の前で全部やっていたのに、今はちゃんとした作業台がある。テーブルの高さがあるだけで、料理のストレスが全然違うらしい。

道具が増えると、できることが増える

バーナー6千円、マルチグリドル5千円、テーブル+天板で1万6千円、コーヒーポット3千円。合計ちょうど3万円くらい。テント一式の2万円に続いて、今度は3万。妻の視線が痛い。

ただ、ここで1つ。道具を増やしすぎない線引きも大事だと思っている。

私たちの基準は「キャンプで実際に困ったこと」を解決するものだけ買う、ということ。初キャンプで「バーナーがあれば」と思ったから、バーナーを買った。「テーブルがあれば」と思ったから、テーブルを買った。カタログやレビューを見て「よさそう」で買うんじゃなくて、自分たちの不便から逆算する。

「あれも欲しい、これも欲しい」とやっていくと荷物が増えて設営・撤収が大変になるし、車に積めなくなる。欲しいものリストは長いけど、「次のキャンプで本当に困るか?」と自問して、答えが No なら買わない。次に困りそうなのは寝袋とマットだけど、まだ様子を見ている段階。


次のキャンプの朝、自分で淹れたコーヒーを飲む。テーブルの上のマルチグリドルでベーコンエッグを焼いて、焚き火の残り火を眺めながら。

それだけで、この出費の価値がある。……と自分に言い聞かせている。