テントを買った。焚き火台も揃えた。バーナーとテーブルも手に入った。道具はそこそこ揃ってきた。
でも寝る道具だけ、まだ何も持っていない。
初回のキャンプはレンタル一式に寝袋とマットが含まれていたから、深く考えずに済んだ。でもこれから自前の道具だけでキャンプするなら、寝具は避けて通れない。
「家の毛布でよくない?」
妻の提案は合理的だった。すでに道具一式で5万円以上使っている。これ以上の出費は避けたい。ダブルサイズの毛布を2枚、車のトランクに積めば済むんじゃないかと。
自分もそう思っていた。寝袋って結局「掛け布団の代わり」でしょ、と。
調べて分かった、毛布だけだと厳しい理由
YouTube のキャンプ系チャンネルをいくつか見ていたら、繰り返し出てくる話があった。「地面からの冷えは寝袋では防げない」。
寝袋の中綿は体の重みで潰れるから、背中側の断熱がほとんど効かないらしい。つまり、いくら暖かい寝袋を使っても、地面と体の間に断熱材(=マット)がなければ背中から体温を奪われる。
考えてみれば、TORAMII のレンタル一式にはマットが含まれていた。あのときマットの上で寝ていたから底冷えを感じなかっただけで、マットがなかったら同じ気温でも寒かったかもしれない。
毛布を地面に敷いても、断熱材としてはペラペラだ。掛け布団代わりにはなっても、地面からの冷えは防げない。YouTube のコメント欄でも「毛布で行って後悔した」という声がちらほらあった。
つまり必要なのは「寝袋」と「マット」のセット。どちらか片方では不十分。
寝袋の温度表記がややこしい
寝袋を Amazon で探し始めて、最初に困ったのが温度表記だった。「-6℃」と書いてある寝袋が4,000円台で売っている。「-15℃」でも6,000円くらい。数字が低いほうがいいのかと思ったけど、そう単純じゃなかった。
「快適温度」と「限界温度」の違い
Amazon のレビューを読み込んでいくうちに、寝袋には「快適温度」と「限界温度」という2つの基準があることを知った。
- 快適温度: この温度まで快適に眠れる
- 限界温度: この温度でもギリギリ使える(ただし寒い)
「-6℃」と大きく書いてあっても、それが限界温度なら快適なのは8℃くらいまで。冬のキャンプ場は5℃を下回ることもある。
自分は危うく限界温度だけを見て「これなら冬も大丈夫」と判断するところだった。レビューで「思ったより寒かった」というコメントが多い寝袋は、限界温度のほうを目立たせている場合が多い。商品ページをよく見ると「快適温度8℃〜、使用温度-6℃〜」と両方書いてあるものもあれば、大きく「-6℃対応!」とだけ書いてあるものもある。
選ぶときの目安
キャンプに行く時期の最低気温を調べて、快適温度がそれに収まっている寝袋を選ぶ。限界温度を基準にすると寒くて眠れない可能性がある。
ただし、この快適温度は標準的な体型を前提にした数値で、寒がりの人や小柄な人は1〜2ランク上の快適温度を目安にしたほうが安全らしい。気温が快適温度より5℃以上低い環境では、インナーシュラフ(寝袋の中に入れる薄手の保温ライナー)や毛布の追加が現実的。
封筒型かマミー型か
形状で2種類ある。Amazon で眺めているだけでも違いがわかる。
封筒型 は布団みたいに四角い。寝返りが打てるし、ファスナーを全開にすれば掛け布団としても使える。隙間が多いぶん保温性はマミー型に劣る。
マミー型 はミイラみたいに体にフィットする形。隙間が少ないから暖かくて、コンパクトに収納できる。ただし窮屈。
自分はマミー型のほうが暖かそうでいいと思った。YouTube の比較動画でも「冬はマミー型が安心」と言っていた。
妻に見せたら「窮屈なのは無理」。寝返りが打てないのはストレスらしい。
意見が割れた。自分は暖かさ優先、妻は寝心地優先。ただ、快適温度がしっかりしている封筒型なら冬でもいけるんじゃないか。「寝返り打てないほうが寝られない」という妻の主張にも一理ある。
候補として見ている寝袋:Bears Rock の封筒型
Amazon で封筒型の寝袋を探していて、レビュー数と評価のバランスが良さそうだったのが Bears Rock の MX-604。
- 快適温度: 8℃〜
- 限界温度: -6℃
- 重さ: 約1.35kg
- 価格: 約4,500円
mont-bell のダウンハガーも気になったけど、1万円を超える。ダウンは軽くてコンパクトだけど、濡れると保温力が落ちるし手入れも面倒だと Amazon のレビューに書いてあった。化繊なら洗濯機で丸洗いできるらしい。初心者が最初に試すなら化繊のほうがハードルが低い。
Bears Rock が候補に残っている理由は、幅が80cmあるところ。他の封筒型は70cm前後が多い。妻が「それだと寝返り打てるの?」と不安がっていて、10cmの差だけど肩幅を考えると余裕が違いそう。
レビューで見かけたデメリットは、収納サイズがそこそこ大きいこと。直径23cm×長さ39cm。車ならいいけど、電車やバックパッキングには向かない。あと快適温度は8℃なので、真冬だと毛布やインナーシュラフの追加が必要になりそう。
2つで約9,000円。「まだ買ってないよ」と妻に言ったら「買うつもりでしょ」と返された。
Bears Rock 寝袋 封筒型 -6℃ MX-604
マットの種類、思った以上にある
寝袋だけ買っても、マットがなければ背中が冷たいまま。本命はマットだ。
Amazon とキャンプ系ブログで調べた結果、マットは大きく3種類に分かれるらしい。
- クローズドセル(銀マット): 安い(1,000円〜)、軽い、パンクしない。ただし薄くて硬い
- インフレータブル(自動膨張): バルブを開けると自動で空気が入って膨らむ。中にスポンジが入っていてクッション性あり
- エアーマット: 自分で空気を入れる。最もコンパクト。ただしパンクリスクあり
冬に使うなら、マットの「R値」(断熱性を示す数値)も見たほうがいいと YouTube で言っていた。R値が高いほど地面からの冷えを防ぐ力が強い。冬キャンプなら R値3以上が目安らしい。
銀マットは安さに惹かれるけど、レビューに「薄すぎて地面のゴツゴツが伝わる」という声が多かった。地面のデコボコが気になって眠れないのは嫌だ。エアーマットはパンクが怖い。キャンプ中にパンクしたら、その夜は地面に直寝になる。
消去法でインフレータブルマットが有力候補。
候補として見ているマット:Naturehike の D03
テントが Naturehike で品質に問題がなかったので、同じメーカーのマットを探してみた。D03 というモデルが厚さ5cm、自動膨張式。
バルブを開けると自動で膨らむタイプだけど、レビューを見ると「完全自動ではない」らしい。7〜8割まで膨らんだ後、残りは自分で空気を吹き込む必要があるとのこと。収納時に空気を抜くのもコツがいるようで、「最初は10分かかった」と書いている人がいた。
価格は1枚あたり約3,500円。2枚で7,000円。
Naturehike インフレーターマット 自動膨張 5cm D03
寝袋 + マットの予算を計算してみた
候補で計算すると:
- Bears Rock 寝袋 × 2: 約9,000円
- Naturehike マット × 2: 約7,000円
- 合計: 約16,000円
ここまでのキャンプ道具の累計が57,500円だから、これを足すと73,500円。レンタル1回14,000円と比べると、自前のほうが圧倒的に高い。でもレンタルを5回以上するなら元が取れる計算。キャンプを続けるつもりなら、遠くない将来に元は取れる。実際、キャンプのたびにドリップコーヒーを淹れたり、冷凍食品で手軽に楽しんだりしているので、元を取れる自信はある。
妻は「暖かくなってからでよくない?」と言っている。春〜秋なら寝袋だけで十分かもしれないし、マットは後回しにしてもいいかもしれない。ただ、YouTube の動画では季節に関係なく「マットはあったほうがいい」と言っている人が多い。地面のゴツゴツを吸収してくれるだけでも寝心地が全然違うらしい。
まだ買うかどうか決めていない。次のキャンプの日程が決まったら、その時期の最低気温を調べて判断するつもり。春先ならとりあえず毛布で試してみて、寒かったら購入を検討する、という妻の段階的アプローチが現実的な気もしている。
とりあえず、次のキャンプ場の予約を入れるところから始める。気温さえ分かれば、何が必要かは今回調べたことで判断できる。